第1章
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「桜の季節はまだだな」 桜の名所に立ち寄った観光客が、蕾のままの桜の梢を見上げている。 「でも、あの木は咲いているわよ」 「本当だ」 指さされた木が呟いた。 「ごめんなさい、私は梅の木です」
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