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「ね?まだ何か抱えてる事があるの?」
何処か上の空になっていた山伏に
心配そうに気遣う茜。
「あ‥わりぃ、、、
またぼーっとしちまった。」
そんな茜の心配を裏切るように
山伏はニヤリと作った笑顔を見せる。
「あのね‥‥。
まぁ、いいけど、それより
今日はさ━━━━━
━━━━‥もう寝ない?」
呆れた顔をした後
茜はそのまま山伏の目を
見つめながらそう言った。
何か特別な想いを
視線に込めているようだった。
「うん、寝ればいいじゃん。」
しかし案の定山伏から返って来た答えは
期待を裏切る言葉だった。
『バカっ!そ、そうじゃなくて!』
『何だよっ!?』
やけに向きになる茜に
今度は山伏が呆れた顔になる。
「だっ‥‥だから‥その、
寝付けないから‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」
「な、何て言ったんだ?
だんだん声のトーンが低くなったせいで
最後の方全く聞き取れなかった。」
【だっ!だからっっ
『寝付けないから一緒に寝て』
って言ったの!】
何やら有らぬ誤解を招きそうな
ことを言った茜だが、
言葉通り添い寝を要求しているようだ。
「‥‥‥‥‥……………。
一人じゃ寝れないのか?」
「い、家では一人で寝てるよ?
でも‥今は‥………。」
胸の前で両手の指先同士を
ちょんちょんと突きながら
駄々を捏ねる茜。
恥ずかしさもあって
目を反らし落ち着かない様子。
「さてはお前、
夜寝るとき電気を消さずに一番小さい
『黄色の電気』にして寝てるな?」
そして山伏は鈍感であるため
そんな茜の純粋な気持ちには
気付きもしないのだった。
『な、何で分かったのよ!?
バカっ!本当にバカなんだから!』
子供みたいに茜が怒って
闇雲にオレを叩いてきた。
「わりぃわりぃっ」
怒らせちゃったか。
そして‥‥‥
━23:00━
『ここにしよ?
雄、ここの壁に凭れて!
わたしもその横で寝るから!』
プンスカと怒りながらも
山伏に命令する茜。
「‥‥怒ってるくせに
怒らせた相手(オレ)と
寝ようとするんだな。」
呆れ顔で矛盾点を突く山伏に
茜は更に顔を真っ赤にする。
『うるさいっ雄がわたしに
イジワルするからでしょっ!
責任取ってわたしの枕になりなさいっ!』
「へいへい‥‥。」
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