Chapter-9-Confinement-of-the-dead-

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  山伏達はそのまま体育館裏へと進んで行くが あることに疑問を抱いた。 「ここの死人(ゾンビ)、 全部倒されてるな‥‥もしかするとみんな 此処を通ったのかもよ?」 山伏が気付いたのは ここにいたであろう死人(ゾンビ)が 全て倒されていた事だった。 「銃弾みてぇな痕もなくて どう見ても頭を固いモノで砕かれてる。 そうかも知れないな。」 その山伏の推測に従って倒れている死人(ゾンビ)を よく見ながら佐野も納得する。 「でも……此方を通ったなら 何故あの死人(ゾンビ)の大群は体育館下駄箱側の 入り口辺りで彷徨いてたんだ? 初めは本校舎の前にいて、 魁人達を追って彼処に行ったんじゃないか?」 杉村が後ろからそんな事を言ってきた。 不安になるような事は 言わないでほしかったけど、 後々オレも考えてたことだろうな。 でも……もしそうなら "後の全員"は生きてるのか? あの大群を相手に魁人とノブの2人の サポートだけで逃げられるのか? 小山田は戦力外だし。 ただ、崎さんは………死人(ゾンビ)に………!! 山伏は杉村の言動から 最悪な結末を想定して心がざわついた。 (……後ろは付いて来てねぇな………。 よし、行くかっ!━━━━ ━━━って‥またか!) 王羅は後ろを警戒して死人(ゾンビ)が 追ってきてないか確認した後、 山伏の方へと身体を向けて 顔を一気に赤らめてしまう。 「ゆ、雄………? わたし暗いとことかこういうのダメみたい、、、」 怖がる女の子を演じながら山伏に引っ付く茜。 ━━━━ギュッ 「山伏先輩っ怖いですぅ‥‥ 離れないでくださいね?」 佳奈もまた怖がる素振りをして山伏に引っ付く。 ━━━━ギュッ 更にムニッ 山伏は相変わらず両手に花を携えながら進んでいたが 「ちょ、ちょっと2人共さぁ、、、 歩きにくいし両腕掴まれたら戦えねぇよ!」 動きを封じられていることを 顔を赤くしながら嘆くのだった。 (こんなんで大丈夫なのか?) そのやり取りを後ろで見ていた佐野が 呆れながら呟いた。 倒れている死体を跨いで木々も生えている 体育館裏を1歩1歩と進んで行く山伏達。 「まだ出るのは早いか?」 そう言いながら山伏は そのまま鉄の棒を左手に携えて 体育館の壁から目の前の中央通路を覗き込む。 門まで続く唯一の通路は 死人(ゾンビ)達が数百体は彷徨いていた。 戦慄の場と化した中央通路は 門へと続く道を塞ぐように蔓延っていたのだ。  
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