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「え?、あ、あたし?」
不意に指名された事により、狼狽えながら自分を指しあたりを見渡すと、周りの空気は期待の緊張に包まれる。
勢い余って立ち上がったものの、特に何も考えていなかった事に後悔の念を受けるが、何よりもエーファにそれを悟られるのが脂よりも自尊心が揺らず。必死に思考を巡らせていく。
「あの~」
思考を巡らせるが、空回りの音ばかりが頭をよぎり、期待という抑圧に押し潰され、思考停止に陥ろうとした時、コルネリアが手を挙げた。
「何、コルネリア?」
助け舟を出してくれたのどうか分からないが、少なくても今のヴァーシャにとって救いの神であるコルネリアに、ホッと胸をなでおろす。
「恋愛もの何て、どうかしら?」
「恋愛?」
「そう、この大宇宙で二人の男女が恋をするの。だけど、二人の恋を阻む最大の障壁が…。それは、お互いの家系が、長きに渡り醜争いをしているの。ああ、なんて悲劇。そんな家系が二人の恋を許すわけなく、やがて星々を巻き込む陰謀に…。そして舞台は宇宙へを変え、そして…」
「ちょいちょいちょい。長いよ、コルネリア」
自己陶酔しながら、語りだしている姿に呆れたのか、エーファは話を止めた。
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