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「演目はいいとして、肝心の毛糸の購入と、校内と校外のポスター作りもしないと。それに、資料も…て、これはネットで検索するばいいか」
演目以外の必要事項を口にするヴァーシャにエーファはめんどくさそうにして。
「毛糸は、それをばらせばいいんじゃない?お金無いし…」
長椅子に置かれている人形を指差す。
「でもこれ、古いからまたバグが出ちゃうじゃ…」
二人のやり取りに、割り込んで来たコルネリアは手を上げる。
「毛糸ですけど、実はすでに買っておきました」
「え?うそ!」
コルネリアの言葉に、思わずっ耳を疑うエーファは椅子から飛び跳ねた。それに同調するかの様して、3人もコルネアに視線を集め驚きを隠せないでいた。
そんな姿を見て、ほくそ笑みながら得意げな顔をして、部室の棚の奥から小さなダンボールを取り出して、中から白く真綿らしい毛糸の玉を取り出す。
「じゃ~ん。最新のじゃないけど、色彩調整や自動修正が付いた良いやつよ」
「これどうしたんです?」
素直に驚くユミハを押しのけて、ヴァーシャが慌てて詰め寄る。
「まさか、自分で出したの?」
「違うわよ。本当はそうしたかったんだけど、それじゃ部活動の規定に反しちゃうでしょ」
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