1.旅立ちの分枝

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「演目はいいとして、肝心の毛糸の購入と、校内と校外のポスター作りもしないと。それに、資料も…て、これはネットで検索するばいいか」  演目以外の必要事項を口にするヴァーシャにエーファはめんどくさそうにして。 「毛糸は、それをばらせばいいんじゃない?お金無いし…」  長椅子に置かれている人形を指差す。 「でもこれ、古いからまたバグが出ちゃうじゃ…」  二人のやり取りに、割り込んで来たコルネリアは手を上げる。 「毛糸ですけど、実はすでに買っておきました」 「え?うそ!」  コルネリアの言葉に、思わずっ耳を疑うエーファは椅子から飛び跳ねた。それに同調するかの様して、3人もコルネアに視線を集め驚きを隠せないでいた。 そんな姿を見て、ほくそ笑みながら得意げな顔をして、部室の棚の奥から小さなダンボールを取り出して、中から白く真綿らしい毛糸の玉を取り出す。 「じゃ~ん。最新のじゃないけど、色彩調整や自動修正が付いた良いやつよ」 「これどうしたんです?」  素直に驚くユミハを押しのけて、ヴァーシャが慌てて詰め寄る。 「まさか、自分で出したの?」 「違うわよ。本当はそうしたかったんだけど、それじゃ部活動の規定に反しちゃうでしょ」     
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