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コルネリアの言葉が身に染みる4人は、日頃の振る舞いを振り返り、もしこの臨時収入が明るみになれば、午後の優雅なお茶会と引き換えに、押し迫る貧乏という荒波に揉まれ、藻屑となり果てていた所だろう。
その事からコルネリアの行動は感謝されるべき行動だったのかもしれない。
「毛糸は、コルネリアのお陰で揃ったし、臨時収入もある事だから、ポスターはヴァーシャの貧乏臭いカメラじゃなく、ビデオで適当に録って、端末でチャッチャと作って、スクリーンフィルムに投影しちゃえば…」
「ダメよ」
「なんだよ、またヴァーシャのダメ出しが出たよ」
「収入があったにしても、毛糸を買ったんだか、らどちらにしても予算はそんなに無いわよ。それに、スクリーンフイルム1枚いくらすると思っているの?何枚買うつもり?」
実際、部費と臨時収入を足したとしても、校内、校外に貼るポスターの数を考えると現実的に厳しいのは理解出来るが、ヴァーシャの物の言い様に反発したくなる3人だった。
「ヴァーシャのけちんぼ」
「ヴァーシャの守銭奴」
「ヴァーシャのおたんこなす」
「誰が、おたんこなすだ!」
今までの、素行に対しての鬱憤を怒鳴り声と共に、まとめてぶつけた。
「何の為に、苦労してると思ってるのよ。たくぅ」
「でも、先輩どうするんですか。何とか形だけでも繕わないと、カッコやつかないんじゃ」
「その為に、さっきカメラで撮っていたのよ」
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