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カメラを手にしながら、ユミハに説明する。
「スクリーンフイルムみたいに、デザインも動きも変えられないけど、この古めかしさ逆に新鮮味があると思うのよ。それに誰もやっていないから注目されかも。まぁ、ユミハに加工してもらってそれをコピーすれば、ずっと安く済むしね」
「アナクロだね」
「貧乏臭い」
時代錯誤のカメラに得意となる姿に、興味のない素振りを見せるユラとエーファ。
「仕方ないでしょ、予算ないんだし、あまりお金をお金を兼ねない方法としては、手っ取り早いと思うけど」
「ま、ポスターに関しては、ヴァーシャとユミハに任せるから。よろしく」
そう言いながら背を向け、丸根げをして関知しない事を示す様に手を振って、エーファは自分の荷物を取り出して帰り支度をするが、思い出したように、みんなに向きなお入り。
「あ、そうだ。”エーヴェルハルト英雄伝”だけど、ひとついく所があるから」
「何処へ、行くんです?」
エーファの言葉に、一同同じ事を口走ろうかと思ったら、ユミハが最初に口火を切った。
「人格保護情報局に行って、本人に直接話を聞く」
その言葉を聞いたヴァーシャとユミハは、少々怪訝そうな顔をしていた。
「何で、わざわざ」
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