1.旅立ちの分枝

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 カメラを手にしながら、ユミハに説明する。 「スクリーンフイルムみたいに、デザインも動きも変えられないけど、この古めかしさ逆に新鮮味があると思うのよ。それに誰もやっていないから注目されかも。まぁ、ユミハに加工してもらってそれをコピーすれば、ずっと安く済むしね」 「アナクロだね」 「貧乏臭い」  時代錯誤のカメラに得意となる姿に、興味のない素振りを見せるユラとエーファ。 「仕方ないでしょ、予算ないんだし、あまりお金をお金を兼ねない方法としては、手っ取り早いと思うけど」 「ま、ポスターに関しては、ヴァーシャとユミハに任せるから。よろしく」  そう言いながら背を向け、丸根げをして関知しない事を示す様に手を振って、エーファは自分の荷物を取り出して帰り支度をするが、思い出したように、みんなに向きなお入り。 「あ、そうだ。”エーヴェルハルト英雄伝”だけど、ひとついく所があるから」 「何処へ、行くんです?」  エーファの言葉に、一同同じ事を口走ろうかと思ったら、ユミハが最初に口火を切った。 「人格保護情報局に行って、本人に直接話を聞く」  その言葉を聞いたヴァーシャとユミハは、少々怪訝そうな顔をしていた。 「何で、わざわざ」     
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