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あとがき
梨 央さんより頂いた中学の時に男の子から借りた「紺色の傘」をひっそり大事にしているという設定で話を書き始めたのですが、どうしたことか主人公がどんどん暗くなりました。
いつか書いてみたいテーマだったので、まだまだ未熟ではありますが、こうして一つの作品として完成して送り出すことが出来てほっとしています。
いじめは勿論肯定できるものではないのですが、子どもの時も大人になってからも程度の差はあれ続くものだと私は思います。
でも、学校・教室というとてつもなく狭い中で行われる思春期のいじめというのは、少し特別なものなのかなと思うのです。
自ら命を絶ってしまう子が沢山いるのは、先が見えないから。外の世界が広いということに気付けないから。そんな気がします。
ある場では異質な存在とされたとしても、違う場においては中心ともなれる。
それは逆もしかりで。
私自身、丁度小学校高学年から中学に掛けて、この主人公と同時期にとても辛い時間を過ごしました。
今でも仕方ないことだったとは思えないし、主人公同様、誰か一人でも味方になってくれる人がいたら良かったのにと思いはします。
しかし、その頃の経験なしに今の自分はないような気もするのです。
紺色の傘はありませんでしたが、私も外の世界があることを知り希望を持ちました。
それを教えてくれたのは、学校の外を知る大人や別の学校の子どもでした。
希望というのは、生きる力になります。
少しの勇気や少しのおせっかいが、もしかしたら鎧を纏って息を殺している誰かの世界を開く扉になることもあるかもしれません。
一人でも多くの戦う子どもたちが、扉を開けられますように。
そして、苦しかった時を過ごした大人になった皆さんのその時間が、少しでも解放されますように。
改めて、梨 央さん。直筆妄想ストーリーをありがとうございます。
岡田朔
2015/9/15
あとがき改
2015/9/17
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