◆仙道さんは俺の部下なんですけど?

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◆仙道さんは俺の部下なんですけど?

 なんだか面白くない。  このところ、俺の住む独身寮の先輩 服部さんが、やたらと仙道さんを連れて行く。何故俺を通り越して2人で結託するんだ?  直属の上司は俺。仙道さんは 俺 の 部下!  勝手に指示出すな!!俺のなんだってばー!!!  チャーリーブラウンの友達ライナス君がどうしても手から離せないお気に入りの毛布は、他人から見たらボロだ。…なんて羨ましい。宝物は、その良さを知られすぎては敵を増やす基になる。  俺の人生初の部下、仙道さんは、誰の目から見ても魅力的過ぎて困る。凛とした佇まい。芸能人に居てもおかしくない華のある目鼻立ち。なのに、トゲトゲしていなくて、その育ちの良さが垣間見える。頭も良い。道案内も、通訳も、ちょっとした交渉事も、お手の物だ。  そんな分かり易くキラキラした人を公衆の面前に晒したら、どれだけの人を惹きつけて来るのか計り知れない。パーテーションの上から隣の席を見遣るが、仙道さんの姿は無い。 「午後のプレゼンの打ち合わせ、できないじゃんか…」  頼み事を断っているところを見たことがない。いつでも聡明で、優し過ぎる仙道さん。もうこれ以上、顔を広めるのはやめてくださいー!
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