1535人が本棚に入れています
本棚に追加
/291ページ
ー文化祭二日目ー
今日は文化祭二日目。
俺の今日の役目はクラスのカフェとガーディアンの演劇二回。
ある意味昨日より憂鬱な一日が始まろうとしている。
「ケーイ、準備できた?」
「ん、できたよ」
取りあえず午前中の一時間半はカフェで普通にウエイター。
それが終わったら三十分で劇の準備して、一時間半の劇をして午前の仕事が終わる予定。
まっ、めんどくさいっちゃめんどくさいけど、とりあえずウエイターを頑張ろうと思う。
「昨日のケイもよかったけど、ウエイターのケイもかっこいいね!流石僕のケイ、僕の双子の兄だね」
「あ、ありがと、セラ。セラも似合ってるよ」
セ、セラがなんか怖いよ。
凄いなんか〝僕の”を強調して二回も言ったよ。
我が弟ながらなんか恐ろしい。
てかいつも思うけどなんで皆〝僕の”とか〝俺の”ってつけるんだ?
俺は俺の物なのにね。
「ほら、そろそろ時間だしいこっ」
いつも以上にべったりとくっついてくるセラに引っ張られながら、みんなの待つ教室に足を踏み入れた瞬間に一斉に視線を感じる。
中には普通のウエイターからメイド、そして男装、女装をした各々がいた。
そして何故か俺が中に入った瞬間に、女子から奇声が上がって教室中がにぎやかになった。
「えっと、俺そんなにこれ似合ってないかな?」
「バカ、その逆だ。女子をよく見ろ」
「?」
その逆ってどういうことだ?
そう思いながら言われた通りよく女子を見ると、何故か顔を隠したりしながら震えている子がちらほら。
でもいまいちそれを見ても、どういうことかわからないんだが。
最初のコメントを投稿しよう!