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「やっぱ似合ってないから、笑いでもこらえてるんじゃないの?」
「こりゃ相手にするだけ無駄だな」
「どうやらそのようだな。さっ、ほらそろそろ開店の時間だ。皆それぞれ持ち場についてくれ」
結局よくわからないまま持ち場につかされる羽目になった。
取りあえず午前中で一緒なのはセラとクラスの半分くらい。
さらにその中の半分が表と入り口のエスコートで残りが裏方さん。
俺たちは普通にウエイターで、クラスの中で可愛めの男子数名が女装をしている。
少し不憫に感じるよ。
「お客さんそろそろ来るぜぇ」
入り口担当の男子と少し可愛めの女の子が、ひょいっと教室をのぞきながらそう教えてくれた。
取りあえず俺の仕事は、注文受けてそれ運ぶだけだからいたって簡単な仕事。
あとはまぁないことを願うけど、トラブルが起こった時の対処ってとこかな。
そしてセラはこれよりさらに簡単。
俺と仲良し双子ってことをアピールして笑顔を振りまく。
そしてちょこちょこ俺の手伝いってとこかな。
まぁいうなら俺たち双子で、マスコット的なことにされちゃってるわけだ。
できる兄に兄大好き弟的なやつ。
それ聞いたセラは「ケイとべったりできる」ってめっちゃ喜んでたけど。
〝いらっしゃいませ!”
開店しすぐさま人が入ってくる。
若い男と女のカップルだ。
近くにいた奴に思いっきり貴様らがまず行けとかって言われて仕方なーく、だるいけどそのカップルさんの席にメニューを持っていく。
「いらっしゃいませ、ようこそリアンシへ。こちらがメニューになっております。ご注文お決まりになりましたらおよびください。ごゆっくり楽しんでいってくださいね」
「お姉さん、お兄さん楽しんでいってね!」
セ、セラあざとすぎるっ。
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