3.学園生活

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「リュシオル!クオーレ!そろそろ行くぞ」 「リヒトもそろそろ行くよぉ」 あれから二年、俺たちは七歳になっていた。 そして今日は、この国の学校、リベラーレ学園初等部の入学式の日だ。 イチイにぃも行ってるところで、全寮制のために、しばらくは屋敷にも帰ってこれない。 イチイにぃは、今中等部二年だから、これからしばらくは、学校で顔を合わせる機会がある。 「二人とも忘れ物なーい?」 「大丈夫だよ、母さん。何度も確認した」 「イチイにも、たまには帰ってくるよう伝えておいてね?もちろんあなたたちも、たまには顔を見せにきてちょうだい」 「分かってますよ、母さん」 「くれぐれも粗相のないように、そして無理のないように学んできなさい。何かあったら連絡しなさい。いいね?」 「うん、父さんと母さんも、何かあったら連絡してよ」 「僕らも母さんと、父さんのことは心配してるんですから」 「あぁ、分かった。ほら、そろそろ行かないと時間だぞ」 「それじゃ、元気で!」 「行ってきます」 俺たちはそう伝えて、俺はリュシオルに、セラはリヒトにまたがった。 「頼むよ、リヒト」 「行け、リュシオル」 馬車なんてだるい俺たちは、今じゃ俺たちを乗せてでも走れるようになった、狼二匹で学校まで駆ける。 そのそばを、クオーレもついてくる。 俺たちはこの二年間で、だいぶ成長したと思う。 セラは、前は人見知りしがちだったのに、今では自分から話しかけたりできるようになった。 しゃべり方に硬さも抜けて、性格と共に、男の子だなって感じになってきた。 まぁ相変わらず…俺に引っ付き虫なのは変わんないけど、周りの女の子の反応が、可愛いからカッコイイに変わってきたのも事実だ。 それに対して俺は、少しばかり幼稚さを残した話し方から、離れることができた。 もう七歳なわけだし、ある程度は大丈夫だろう。と元の自分に戻ってきつつある。 まぁ、もともとしゃべる方ではなかったし、クール系お兄さんに見られたりとかしてるみたいだが、そこはどうでもいい。 俺たちは、見た目もお互いに少しずつ変わり、今では間違われることもない。 セラは相変わらず、ツーブロックで髪は短くしている。 俺はなぜか切ることを皆に反対されて、長い髪を三つ編みにしていた。
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