シリアス

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二十歳の誕生日を迎えたが、心はどんより靄がかかっている。 ─── ねえ、二十歳になったからって何が変わるの? 何も変わらないよ。 なのに、お酒も煙草も二十歳から…。 試しに両方してみたけれど、吐き気を催しただけ。 まだ気持ち悪いが、吐瀉物を片そうとしたら目の前に影が降ってきた。 「汚いからやらなくていいよ」 ─── 私は相手の顔も見ずに告げた。 「別に汚なくなんてないよ。『大人』に成りたかった証拠でしょう? ─── 焦らず無理せずゆっくり『自分』を見つけなさい。」 …………… 母はそう言って微笑みながら私の背を優しく擦ってくれた。 ─ 完
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