純愛

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27歳の誕生日を迎える直前に見てしまった。 ─── 彼が、私の知らない女性と仲良く腕を組み街を歩いている姿を。 私は何も出来ずに二人の背中を見つめ、暫くし、漸く携帯を取りだし、あえていつも連絡手段にしているラインではなく別れを告げるメールを入れた。 いつのまにか雨が降ってきた。 雨が荒れ狂う私の醜い嫉妬を見えないようにしてくれているようだ。 どうやって帰路についたか覚えていない。 家につく寸前に呼び止められ、力強く腕を捕まれたと思えば………彼の腕の中に居た。 「アイツは従姉妹なんだよ!!だから…別れるなんて言うなよ! ………こんな風に渡すつもりはなかったけど、これ……………受け取って欲しい! 誕生日おめでとう。 ──── 俺と結婚して下さい。」 涙は止まらないが、私の心と空には綺麗な虹がかかっていた。 ─ 完
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