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「え、誕生日? ああ、そっか、もうそんな日か。ありがとう、嬉しいよ。
でも、誕生日か。今更そんなのお祝いする歳でもないんだけどね。俺ら兄弟もだいたい誕生日同じ日だし、お祝いってのもなんだかなって感じしないか?
あ、ああごめんごめん。うれしい、うれしいよ。そりゃ当然じゃないか。俺たち生まれてからずっと一緒だしな。
つかず離れず、喧嘩別れすることも死に別れすることもなく、よくぞここまで長く一緒にいられる兄弟だなと思うよ、ホントに。
……まあ、あんまりソリがあわなくて遠くに行っちゃってる奴もいるけどな。最近帰ってきたみたいだけど。
にしても、ホントに長いよなぁ。お前さ、昔のこと覚えてる? 生まれたばかりの頃。
俺もほっとんど覚えてないけど、ある程度の年齢からはやたら鮮明に覚えてるんだよね。
最初の頃はさ、みんなおんなじ素っ裸でさ。ずっと同じとこぐるぐる回って遊んでばっか。
体の大きさこそ違うけど、みんな仲良しでさ。いっつも一緒に遊んでたよな。
……え、俺はずっと大泣きしてて煩かった? 今でこそ落ち着いたけど、涙もろいのは変わらないじゃないか?
うるせー、お前らが落ち着き過ぎなだけなんだよ。ガキは泣きわめくのが普通だ。
そうだよ、まったく俺ばっかり変人扱いしやがって。ま、確かに兄弟の中で一番最初に変化あったのは俺だけどな。
ほら、一番最初に生えたの俺じゃん。フフフ、これぞ大人の証って奴かな。羨ましいだろ?
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