おまけ。またフラれるかもしれない。(三島先生編)

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それから、美鈴がDragonにやって来ると、 ドラゴンから連絡があって、 出来るだけ顔を出すようにした。 (月に2度くらいは後藤も一緒だけど。 俺は気にしないで美鈴を口説くことにしている。 後藤も控えめに口説いているけれども…) 当直があって行けない時には (友人と飲んでる。とか教え子の用事だとか言っておいた。) 家に帰ったら連絡して欲しいと言って、 俺のスマホの番号を教えて、半ば強引に連絡先を交換すると、 真面目な美鈴は家に着くとメールをくれて、 俺は手が空いたら直ぐに電話をかけ声を聞いて安心してから仕事に戻ったりした。 次第にお互いのことを知り、 美鈴がひとりっ子で、両親は忙しく働いていたので、 家には通いの家政婦さんがいたけど、 子供時代は家でひとり遊びをしていることが多かったり、 学校の行事には両親はあまり来ることがなくて 寂しい子供時代だった。とか、 大きくなったら、夕飯を自分で作ったとか、 高校卒業後はひとり暮らしをした。とか そんな話をポツポツしてくれた。 俺が小さい時の美鈴と遊んであげたかった。と言うと、 チョット嬉しそうに笑ってくれてホッとする。 俺は信用されて来ているかな。 Dragonの帰りにはかならず、玄関の中までいろいろ口実を作って送り、 おやすみのキスをしてから帰った。 抱き寄せると美鈴は嫌がらず、俺の腕の中に収まり、 くちづけされると、すこし恥ずかしそうに俯いた。 うーん。 俺を好きなことには間違いないんだけれど、 まだ、恋人になる決心はついていないって事なんだよな。 誰より好きだと思われたい。 俺は時々美鈴の唇を押し開いて、舌を絡めてみる。 美鈴は俺にされるまま大人しく唇をひらくけれど、 まだそれだけだ。 初めての夜のように求め合いたい。 俺は美鈴の唇が応えてくれる日をじりじりと待つ。
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