おまけ。またフラれるかもしれない。(三島先生編)

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ドラゴンの家で 「江ノ島の花火を見る会」が開かれた。 この辺りの資産家の家に生まれのドラゴンはものすごく金持ちらしく、 所有している眺めの良いマンションの一番上のペントハウスに住居を構えている。 俺もこの海沿いの街に落ち着く決心が付いたら…この辺りのマンションがいいな。 と江ノ島と青い海が臨める窓から景色を眺めた。 隣には美鈴がいてくれるだろうか。 そう思って美鈴の顔を覗くと、 今日はなんだか元気がない。 どうかしたかな? また、後藤のことじゃないといいけど… 線香花火をしながら聞いて見ると、 入院している子どもの心配をしてたみたいだ。 話しているうちに涙がこぼれ落ちて、俺に背を向けたので、 後ろからぎゅうと抱きしめると 低い嗚咽が聞こえた。 落ち着くまで抱きしめておきたい。 でも、俺の手を振り払わずに腕の中で泣いているってことは 俺に心を許してきてるってことだよな。 もう少しで俺の腕の中で笑うようにもなるだろうか。 そうであって欲しい。 美鈴の全部を守りたい。 なかなか泣き止まない美鈴を、 俺の身体で覆うようにピッタリとを包み込んだ。
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