おまけ。またフラれるかもしれない。(三島先生編)

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そろそろ帰ろうかと、 友人と笑いながら回遊しているドラゴンを捕まえて挨拶し、 美鈴がさくらさんにも挨拶してくると言って俺のそばを離れた途端、 スッと見知った顔が現れる。 「いつから、高校教師になったんだ?」 と不機嫌そうな顔。「あおい小児科」の芦沢医師だ。 やっぱり覚えていたよな。 ちゃんと美鈴がいない時に俺の前に現れたのは、 先に事情を知りたかったからで、 直ぐにバラさずにいてくれたけど、 放っておくつもりはなかったって事だ。 「美鈴ちゃんが医師とは付き合わないっていったから、教師って事にしておいた。」 と正直に言うと、 「案外、頭が悪いな。いつまでも隠せないだろ。」 「ちゃんと付き合うことになったら自分で言う。 …だから、みんなにも黙っててくれないかな?」と微笑むと、 「美鈴ちゃんの事は遊びじゃないんだろうな?」 「俺は美鈴を真剣に好きなんだよ。」というと、 「…今は見逃しとく。」と不機嫌な顔のままいなくなった。 やれやれ。 美鈴が戻って来たのでドラゴンのマンションをそうそうに逃げ出した。 美鈴は年上の友人達に人気がある。 黙って見ている事ができないくらいに それって誰かがついていないと心配ってことだよな。 はやく俺もずっと側にいられるようになりたいよ。 美鈴は「今日は楽しかった」と穏やかな笑顔で俺を見上げてくる。 これって もう、付き合ってるって 俺には思えるんだけどね。 と美鈴の手を笑顔でシッカリ握って歩きながら こっそりため息をついてみた。
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