おまけ。またフラれるかもしれない。(三島先生編)

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我慢できないキスの後、 美鈴はもう、2週間以上Dragonに来ていない。 俺がメールをして、食事に誘っても、都合が悪いと短い返事があるだけだ。 はやまったキスだったかと思うけど、 俺の気持ちは伝わったはずだ。 Dragonに来ていないのなら、後藤ともあっていないはずだから そう心配をしなくても良いのかもしれないけれど… きっと美鈴は新しい恋をするのを怖がっている。 また、傷つくのじゃないかと不安なのかもしれない。 美鈴、 俺は美鈴に俺の腕の中で楽しそうに笑って欲しい。 俺も美鈴を腕に抱いて笑っていたい。 美鈴が傷ついて泣いていたら泣き止むまでそばにいて涙を拭いてあげたい。 俺が傷ついた時は美鈴を抱きしめて深く眠りたい。 そう思っているんだよ。 と心の中で呟いてみる。 Dragonのカウンターで ひとりで物思いにふけりながらウィスキーのロックを飲む。 ドラゴンが 「美鈴ちゃんもきっと三島君の事を考えてるよ。 もう少し待ちなよ。」 と俺の顔を覗き、真面目な声を出す。 「美鈴はきっと三島さんが好きだと思うよ。 思わせぶりに相手を振り回すなんて器用な事、美鈴には出来ないから… …三島さん、美鈴のことが好き?」 とさくらちゃんに聞かれ、 「ものすごく。」 と返事をしながら、 美鈴がいない夜。 俺は周りに心配されるくらい元気がないらしい。 俺は美鈴に相当惚れているな…と少し笑ってしまう。 「もう一杯飲んだら帰るよ。」とドラゴンに言うと、 新しいウィスキーと美鈴スペシャルのチーズをテーブルに置いてくれる。 「飲んでばかりいないで、たんぱく質も取るように…」とドラゴンが笑う。 俺はさっぱりとしたチーズを口に入れ 「あいかわらず美味いな。」とドラゴンに笑いかけ、ウィスキーをゆっくり飲み干した。
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