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10月始め。
ドラゴンから美鈴が浮気相手だった後輩と店に来てる。と連絡がある。
俺は仕事を切り上げDragonのカウンターに座る。
今日は後輩が個室を予約したみたいだ。
聞かれたくない話があるのかもしれないな。
しばらくして後藤がやって来る。
そういうことか
でも、後藤は俺の隣に座ってビールを頼んだ。
「俺さあ。もう美鈴の手を離すよ。
美鈴は何を言っても戻らないって決めてるみたいだし…
三島さんも待ってるし。
あんた、美鈴に結構惚れてるだろ。」と後藤が俺の顔をみる。
「俺はおまえより、美鈴を大切にできる。」
「美鈴みたいに良い子って…ちょっと苦しかった。
いつも俺がいう事を疑ったりしないで…俺が何をしてても家で待っててさ。」
「おまえの相手は他にいるって事だろ。」
「もうしばらく遊んどく。」
「美鈴に出会うのが早すぎたな。
俺はもう、遊びはお終いなんだ。」
「へえ。もう遊び飽きたんだ。」
「美鈴は今まで付き合って来たオンナとは違う。
俺にとっては特別だ。」と笑うと、
「最後にふたりきりで話させてよ」
「…30分だけ。」と顔をしかめてやると、
「ケチ。」と後藤は笑って立ち上がって個室に向かった。
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