おまけ。またフラれるかもしれない。(三島先生編)

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俺達はやっと付き合える事になって 美鈴は初めは遠慮がちだったけれど、 俺が毎日のように連絡して、美鈴の部屋に通い、 美鈴の夜勤明けの夜には仕事の帰りに毎回迎えに行くようにすると、 少しずつ安心したように俺の腕の中にいるようになった。 美鈴の手料理を食べ、 一緒にくつろいでたくさん話しをして、 まあ、ほとんどの夜はイチャイチャし、 寝るときはいつも深く抱き寄せて眠り、 たまには一緒に腕を組んで買い物に行ったり、 映画を見たりもした。 美鈴は予想通り真面目で控えめで、 でも愛情深い女で、 俺が少し悩んでいたり、体調を崩したりするとすぐに気づいて、 柔らかくくちづけをしてくれたり、 部屋に来て甲斐甲斐しく世話を焼き早めに寝かしつけたり、 めったにないけど、俺が憤(いきどお)っているときは、 お互いの身体に跡がつくほど激しく抱き合うって事が自然に出来る女だった。 俺を愛して、大切に思っていると感じさせてくれる。 オマケに時折俺の独占欲が顔を出しても 笑って許してくれる。 俺は美鈴以外の女はいらない。と 一生そばにいて欲しいのは美鈴だ。と すぐに思うようになったいった。 でも、俺は つい、本当のことが言えずにいた。 美鈴に夢中になるほど、 最初についてしまった嘘が重たくなる。 美鈴が知ったら、怒るだろうか? 『嘘つき』と言って泣くのだろうか? 笑って許してくれなかったら… 美鈴を失ったら、どうすればいいのか… 考えれば考えるほど 本当のことが言えなくなる。
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