ジーンズに罪は無い

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「まこと、コーヒー飲む?」 「ん、お願い。」 日曜日の午後、ベッドにもたれながら私は少女漫画に目を落としていた。 台所に立って鼻歌まじりでコーヒーを入れているのは「藤川 ほのか」。付き合い始めてそろそろ一年になる。 「はい。」 「サンキュー。」 かなり上機嫌な様子で彼女は隣に座った。まあ、理由は何となく分かってるけどね。 もう、話題を振ってくれと言わんばかりの機嫌の良さでニコニコしているし。 けどなぁ、この手の話題を自分から振りたく無いんだけどなぁ・・・(´д`|||) いや、避けてたんだけどなぁ・・・(´д`|||) やっぱ誉めなきゃ不味いよなぁ・・・(´д`|||) 「だいぶ、痩せた?」 半年前からダイエットをしている事は薄々気付いていた。 高校でバスケをやっていた頃は、それなりにスリムだったと写真を見せて貰った事があったし、一年前から比べると高校時代のシルエットに近づいてるのは一目瞭然だしね。 多分、1キロ2キロのレベルじゃ無い。 「頑張ったもん!(´∇`)」 そう言って再度立ち上がると、両手を腰に当てて自慢気に私を見下ろした。 「目標達成したから、ジーンズ新調したの。」 ストレートの真新しいジーンズを履いてるほのかを見上げる。165㎝あるほのかは、ヒールを履けば私より背が高くなる。私は167㎝。 よっぽど嬉しいみたいだけど、私に体重の話は禁句だって忘れてんだろうか?
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