2.ストレイシープ

2/26
前へ
/45ページ
次へ
「でか!!」 「キュキュキュゥ―!」 やってきたギルド本部は、煌弥が想像していたものよりはるかにでかいものだった 煉瓦調の建物で、見た目はおしゃれだ 獅狼宅から見えてた建物だが、改めて近くで見ればまた印象が違う 流石というべきか、これは誰が見ても感嘆するだろう 「ほら行くぞ。こんなんで驚いてたら後が思いやられる」 「ぇ、どゆこと」 「行けば分かる」 それに煌弥は目を丸くした それに獅狼はクスリと笑い、歩き出す 「ってこら、夜斗一人でどっかいくんじゃねーよ」 「キュキュキュッ!」 「どっかの誰かに捕らえられて何かされても知らねーぞ」 「キュゥッ~」 そればかりは嫌とばかりに首を激しく振りながら、定位置となりつつある煌弥のフードの中にすっぽりと入ってしまった そして煌弥と言えば、獅狼の後ろを辺りを見渡しながらついていく ギルド総本部というだけあって人は多い ______見渡しても人ばかり 「ここの人たちって皆俺達みたいな人?」 「あぁ、そうだ」 「ふーん、こんないるんだな」 「まぁな、さてついたぞ」 獅狼はそういって、受付の人にササッと話をつけた 暫く待っていると、奥から一人の男がこっちに向かってやって来る 明るい金髪のツーブロックの髪形に、蒼い瞳をした若い男 彼はさもめんどくさそうに煌弥達の方に近づいてくる 「獅狼に煌弥で間違いねーか?」 「間違いない」 「俺はジャック。…ついて来い」 ジャックと名乗った男は、煌弥たちを二階の部屋へと誘った 中は入り組んだように通路がある 迷ったらおしまいな気がするほどに広く、入り組んでいる 数多くある通路のうちの一つ、少し狭めの通路を奥へと奥へと更に進む 他にすれ違う人はおらず、何か仕組みが働いているのだと考えられる
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加