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「待たせたな、判定が下ったぞ」
書類を見ながらジャックは言った
「結果、煌弥はSSランクとする」
「…ハッ?俺が…SSランク??」
思ってもいない出来事に、煌弥は思わず間抜けな返答をしてしまう
何しろ、SSランクは数人しかいないと言われ、まさか自分がそのランクに入るとか思ってもいなかったからだ
それもそのはず
この世界に来てまだ四日目、レベルは1
誰が見ても聞いても同じことを思うだろう
「おめでとう、コーヤくん。君は歴代最年少でのSSランク入りだ。この世界に来て日は浅く、レベルも1らしいが…成績優秀、実力もあると見た。これに断悪としての力が入れば更なる高みが目指せるだろう」
「…おっさん誰」
煌弥のその一言にその場の空気が凍った
なんでだと煌弥が思ってると、ジャックが急に大笑いを始めた
何気に獅狼も笑っている
「ぶははっ、お前最高だな煌弥!この人相手におっさんとか」
「だから誰なんだよ、このおっさん」
「私はおっさんではないな!まだ私は20代だ!」
やばいと思いながら、煌弥はやってしまったという顔をする
しかし20代にしては、ワイルドで大人のおっさんと言う感じなのだ
見た目でそれを見抜けというのは難しい話
「まったく。改めて挨拶しよう。私はリース、ここのオーナーをしている」
名前と役職を聞いて、お偉いさんだったのかと思いつつ、またやってしまったという顔をする煌弥
何かと表情が語ってくれる
「さて、SSランクの君には専属の担当者をつけることになるが」
「あっ、それならジャックがいいな」
「なに?このジャックか?」
「そっ」
こんなんでいいのかとでもいうような顔をする、おっさん…否、リース
何かジャックに問題があるのだろうか
「ホントにいいのか?不真面目でめんどくさがり屋でサボり魔で遅刻魔な問題児だぞ?もっと優秀な奴がいるが」
「いいよ、だってジャック面白そうじゃん。それにこんなんだけど、実際強そうな匂いがするし退屈はしなそうだよ。それだけあれば十分」
「まぁ君がそういうなら別に構わないが。それに君の読み通りこいつは実力だけはある。望み通りジャックを担当にしておこう」
「ありがと」
「ところで、君ホントにレベル1なのかい?」
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