2.ストレイシープ

5/26
前へ
/45ページ
次へ
「待たせたな、判定が下ったぞ」 書類を見ながらジャックは言った 「結果、煌弥はSSランクとする」 「…ハッ?俺が…SSランク??」 思ってもいない出来事に、煌弥は思わず間抜けな返答をしてしまう 何しろ、SSランクは数人しかいないと言われ、まさか自分がそのランクに入るとか思ってもいなかったからだ それもそのはず この世界に来てまだ四日目、レベルは1 誰が見ても聞いても同じことを思うだろう 「おめでとう、コーヤくん。君は歴代最年少でのSSランク入りだ。この世界に来て日は浅く、レベルも1らしいが…成績優秀、実力もあると見た。これに断悪としての力が入れば更なる高みが目指せるだろう」 「…おっさん誰」 煌弥のその一言にその場の空気が凍った なんでだと煌弥が思ってると、ジャックが急に大笑いを始めた 何気に獅狼も笑っている 「ぶははっ、お前最高だな煌弥!この人相手におっさんとか」 「だから誰なんだよ、このおっさん」 「私はおっさんではないな!まだ私は20代だ!」 やばいと思いながら、煌弥はやってしまったという顔をする しかし20代にしては、ワイルドで大人のおっさんと言う感じなのだ 見た目でそれを見抜けというのは難しい話 「まったく。改めて挨拶しよう。私はリース、ここのオーナーをしている」 名前と役職を聞いて、お偉いさんだったのかと思いつつ、またやってしまったという顔をする煌弥 何かと表情が語ってくれる 「さて、SSランクの君には専属の担当者をつけることになるが」 「あっ、それならジャックがいいな」 「なに?このジャックか?」 「そっ」 こんなんでいいのかとでもいうような顔をする、おっさん…否、リース 何かジャックに問題があるのだろうか 「ホントにいいのか?不真面目でめんどくさがり屋でサボり魔で遅刻魔な問題児だぞ?もっと優秀な奴がいるが」 「いいよ、だってジャック面白そうじゃん。それにこんなんだけど、実際強そうな匂いがするし退屈はしなそうだよ。それだけあれば十分」 「まぁ君がそういうなら別に構わないが。それに君の読み通りこいつは実力だけはある。望み通りジャックを担当にしておこう」 「ありがと」 「ところで、君ホントにレベル1なのかい?」
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加