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俺は自分の武器“白黒”を取り出し、目を瞑って話しかける。
魔武器は持ち主が話しかけることで、魔力を通じて会話することが可能だ。
武器自身も自我を持ち、大体の物は主人に忠実だと言われている。
『こうして会うのは初めてだな、我が主』
「お前……いや、お前らが俺の武器か」
俺が今見ているのは自身の精神世界だ。
上は満月の覗く夜、下は月夜の浮かぶ湖、そして立ち並ぶ古風な建物と舞う桜の花びら。
その全ての中心には、どれよりも立派な旅館風の建物がその存在をアピールしている。
そんな俺の精神世界に現れたのは、10歳そこらの双子の男児。
俺の銃と同じように、二人を言葉で表すなら黒と白だ。
『そうだ、我らが主の武器』
『主は我らの扱いを聞きに来た、あっているか?』
二人はそう淡々と話す。
どうやら淡泊な性格らしい。
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