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__普通の輩ならば、それで物語は終焉となろう。一切合切の無となって、忘却の彼方へと葬り去られるであろう。
しかし我輩は魔王である。このまま終わるなど許される訳がない。
幸いなことに、この世界には転生という摂理が存在する。だから我輩は決めたのだ。再び生まれ変わり、この世界を暗黒に染めてやると。
こうして巨大な満月が天空を支配する真夜中、偉大なる父君と母君によって、悪魔の種子は結合したのだ。
母君の腹に宿ること六十日、遂に我輩はこの世界に姿を現すこととなったのだ。
神よ全てを呪え、この暗黒世界の始まりの日を嘆くのだ。
……我輩は魔王である。名前はまだない……
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