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秋葉原での事件を解決した木葉刑事の所属する篠田班は、新たな事件を待つ日々を数日過ごす。 遠矢関連の捜査、岩元の捜査が進む中で、何かの力が働いたかのように暇な日々を送った。
そして、6月に入って間もなくの頃。 今年の夏は暑いと、長期的な天気の見通しが出されて。 世間では、5月から30度を超えてる現状から、そんなのは当たり前と皮肉が漏れていたが・・。
篠田班の全員が揃ったこの日、午後には新たに事件が起こった。 現場は、白金の住宅地。 金持ちしか居ない一等地の豪邸にて、男性が刺された。 家の敷地内にて、腹を10箇所以上も刺されていたと云う。
遠矢に続いて岩元まで逮捕され、警察はフル稼働している。 所轄や機捜も忙しいので、木田一課長は早々と捜査本部を作ると決めた。 そう、篠田班の出動で在る。
現場に向かった木葉刑事の運転する車の中で、UVカットの化粧を塗ったくる里谷刑事が。
「ぬ゛ぉーーーっ、曇れぇぇっ!」
と、助手席より気合いを吼えた里谷刑事。
後部座席で並ぶ市村刑事と八橋刑事で在り。
市村刑事が、
「前のお嬢、随分と元気だな。 どうしたよ」
と、小声で言えば。
八橋刑事が市村刑事に顔を寄せ。
「近々、警視庁内の内輪で合コンらしいですよ。 サイバー対策課の若い捜査員が、一課の美人だけ集めた合コンを企画したとか…」
小耳に挟んだ情報を返す。
腕組みした市村刑事は‘合コン’と聴いて。
「俺が呼ばれないのは、‘美人’・・じゃないからか」
と、呟くではないか。
だが、
“夜の添い寝をする女性に事欠かない”
と、噂される市村刑事で在る。
“まだ女性が必要なのか”
八橋刑事は、言わずの疑問を心に浮かべた。 彼女の居る八橋刑事は、巨漢だが一人ですら持て余し気味で在る。
さて、昼過ぎに現場へと到着した刑事達。 また年配の鑑識員で、第一班の班長に就く片岡鑑識員が担当らしく。 三階建てで、ちょっとしたアパートより立派で大きい家の庭からヒョロっと現れると。
「お~木葉、今回はまたお前達か。 岩元をパクるなんぞ、遠矢に継いで大金星だな」
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