月は見ている。

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月明かりだけが辺りを照らし出していた。 手を繋ぎ、満開の桜並木道を二人だけで歩いている。時折、寒いのか私の手ごとポケットに手を入れる。 そんな時は、少しはにかんで 「これで少しは寒くないだろ?」 なんて言って頬を少し染めながら囁く。 いつもは女の子に囲まれて中心にいる存在(所謂、ややチャラい感じ)なのに、私の前だと何だかシャイな彼。 このギャップに私は堪らなくなる。寧ろ、私の方が照れてしまう。そして、こんな見た目とか王子様な彼がなんの取り柄のない私と付き合ってるのか謎なんだけど。七不思議並みよね!
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