20年目の涙

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20年目の涙

 史生から突然、 「もう、連絡を取るのはやめよう」  そんなメールが来た。  私は戸惑った。 「どうして」  聞いた私に 「奥さんに悪いから」  聞いた答えに愕然とした。  いつかは離婚して史生の近くに行きたいと思っていたのに。 「そっか」  私は、動揺を隠し了承した。  その日からメール相手がいなくなった。  考えれば、私の手元に残っている指輪は婚約指輪としてくれたのだったのかもしれない。  いつもわがままを笑顔で聞いてくれてた。  思い出せば思い出すほど、後悔する結婚。  お正月メールを送ったのだが、やはり返事は来ない。  別れを告げられてから3ヶ月後、史生の誕生日。  誕生日メールを送ったのにやはり返事はこない。  メールでケーキマークしか送れないから  史生の誕生日にケーキを食べた。  一人で祝いの気持ちでケーキを食べた。  涙が出った。  どうして、私は間違った選択をしたんだろうと悔いながらケーキを食べた。  私の人生は、間違ったまま進んでいく。  生きて行く希望は、一人娘の成長だけになった。    史生に逢いたい。  逢いたいよ…
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