近づくアノ日

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アノ日、つまりは俺の誕生日。 17回目の懺悔の日。 この世に生を受けたこと自体が罪の俺の最悪の1日。 典型的な破滅型の母親はモデルと女優をしてた。 母親は息子の俺でも思うほどに綺麗だった。 何故俺が罪の子になるのか、それは全てが母親の男癖の悪さにあった。 仕事で関わった男はもちろん営業で向かった広告主の社長とも、誰彼構わずに身を売ったから。 それがヤクザでも母親は関係なしに抱かれた。 その結果生まれた、父親が誰かもわからない子供。 それが俺だ。 先に言ったように母親は破滅型。 俺を産んでからも仕事は途絶えることなく舞い込んで、 疲労と現実から逃れるために酒と薬に手を出して、 表向きはとある会社の社長であるヤクザの男と結構し、 最後には体を壊して入院して、 精神を病んで入院先の病院の屋上から自殺した。 俺はヤクザの養父と共に暮らすことを余儀なくされた。 養父の名前は天栂義人(アマツガヨシヒト)。 義人さんと呼ばないとそのたびに殴られた。
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