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休みの前日は男と二人、外で食事して、男の家に泊まることが安里莉子の恒例になっていた。
この日も居酒屋で飲みながら軽く食事をして男…近江誠司のマンションへと来た。
「おっと…」
上がり框に足を引っ掛け、よろけた近江が莉子にしがみついて来た。
「やだ、誠司くん。酔ってるの?」
クスクス笑いながら近江を支える。
「あーもう歳かなぁ。40になって急に弱くなった気がする。莉子に介抱してもらわないとね。」
莉子の腰に手を回し、お尻の割れ目をなぞってくる近江が酔っているわけがない。
「あー酔っ払いでエッチな甘えたはホンッと手に負えない。」
そう言いながら近江のネクタイを緩める。二人もつれながら薄暗い廊下をリビングへ向かう。莉子がリビングのドアを開けた時、何かに引っかかった。
「…何か落ちてる?」
近江が手探りで灯をつけた。
観葉植物の鉢は倒れ、割れた食器が散乱している。引き裂かれた莉子の部屋着。
その真ん中で赤いハイヒールを履いたままリビングテーブルに座っていた女が莉子めがけて化粧品のボトルを投げた。
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