おもい言葉が言えなくて

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さらに机に私の嫌がらせの文字を書くことさえあったが、私は先生に見つかる前に素早く消した。 夢の中で彼女の言葉が蘇ってくる日々が続いた。 苦しい。楽になりたい。 そんな思いも心のどこかで叫んでいた。 それから二ヶ月後、先生に叱られた。 「有上(ありうえ)さん、最近宿題を忘れるのが多いですよ。何かありましたか?」 そう言う彼女の目は私を食い尽くしてやろうというような鋭い目付きだった。 「いえ……」 「ならやりなさい。このクラスで除け者にされてしまいますよ?」 「はい」 私は言葉ではそう言った。でも心の中では違った。 (私は除け者?お母さんもあの子も先生も……?仕事で頻繁に出張しているお父さんもそう思ってるのかなぁ?私……この世から消えたらみんな喜んでくれるのかな?) 私は先生たちの言葉で頭を悩まされていた。 寝てる時間でさえ苦しみは続いた。 そして一週間前、私はついに決心を下した。 この世から去ろうと。 その前に早起きをして母親にご飯の用意をした。 母親は起きてこない時間だった。 卵焼きにワカメや豆腐の入った味噌汁に白いご飯。 卵焼き以外におかずを作るのはやめた。 その代わりに大きな皿にのせた卵焼きにケチャップを使って小さな文字を書く。 『ごめんなさい』と。     
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