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「ごめんなさい。あなたのお陰で彼女と仲悪くなると思ったけど、友達になれたの。でもあなたには悪いことした」
するともう一人の子は彼女の制服の袖をめくる。そこには包帯が巻かれていた。
それは怪我をしたからと知らされていた。
しかし……。
彼女はめくっていく。
そこには無数の刃物の傷跡が生々しくかさぶたとなって露わになった。
「冬平(ふゆひら)さん……まさか……」
「いや、私が『ほら、彼女が苦しんでんだから謝りなよ。じゃないともっと傷を付けちゃうよ?』みたいなことを言って彼女を傷つけるなんてことはしないよ。というかそれ罪になるでしょ、たぶん。彼女は自分でした。あなたの苦しみが嫌だから。すぐに謝ればいいのに。バカだよねぇ」
「冬平さん!!煽ることないじゃないですか?」
「有上さん……ごめんなさい!!」
「私こそごめんなさい」
冬平さんは私と彼女の腕を掴み握手するように促した。そして彼女のそれに従った。
私たちはこの日から一週間経った今でも仲良く過ごしている。
彼女が傷を付けることはもう無くなったし、私があのようなことはしなくなった。
でもまだやってることはある。
彼女たちと昼休みにそこで会うことだ。
そこでパンを頬張る。
それだけではない、お互い教室でも仲良く過ごしている。
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