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新しいママは優しいフリをした。
「またクマちゃんと遊んでるの?
ほら、新しいぬいぐるみはどう?」
「あら、その服もう小さいわよ。こっちの新しい服を着たら?」
「このクッション汚れてるわね、新しくしましょう」
「あら、このお皿欠けてるわ。買い直さなきゃ」
ニコニコニコニコ……笑顔で家の中を新しくしていく。
ママの物を全て片付けて、無くしてしまう。
だから「触らないで!ママのよ!」って叫んだ日から新しいママと私は仲良くなんかしない。
パパが居ると私は笑顔を作っているから、パパは知らない。
家の中にママの物が無くなっていても、パパは気付かない。
「ミヤちゃん、10歳の誕生日、欲しい物ある?」
誕生日の前の日、いつもの優しいフリをした笑顔で新しいママが聞いてきた。
「何でもいいのよ?何がいいかしら?」
なんて嬉しそうに私に笑顔を向ける。
私はずっと思い続けていた事を口にした。
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