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「頼人、何してるの!」
思わず、声を荒げた私の声に驚きはしたものの、ニコニコ笑いながら、こう言った。
「あのねー、アワアワで遊んでたの。手にいっぱいアワアワついたよ、ほら」
汚れ泡が手についたのを見せてくれた。
「わぁー、私もやりたい」
綺羅も頼人のそばに行く。
「やらなくて、いいから」
私が言いながら、二人に近づくと、頼人の手には
シャボン膜が出来ていた。
「頼人、手の輪っかの部分をフーッてしてみてごらん。そうっとよ」
「うん、…フーッ」
頼人は言われた通りにすると、綺麗なシャボン玉が出来た。
「わぁ、凄い。シャボン玉、誕生したね」
綺羅が声をあげた。
すると、頼人がシャボン玉を見ながら、
「ハッピーバースデー、トゥ、ユー
ハッピーバースデー、トゥ、ユー」
と歌い始めた。
「え?何故、バースデーソング?」
そう聞くと、
「だって、シャボン玉の誕生日でしょ?」
と返ってきた。
「今、シャボン玉が出来たから?誕生日なの?」
「そう!」
「すぐ消えちゃうのに?」
頼人は大きく頷いた。
「僕の手から生まれたから。♪ハッピーバースデー、トゥ、ユー♪だもん」
ニコニコしながら、もうひとつ作ろうとまた汚いたらいに手を突っ込もうとする。
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