第3章 海辺の村

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第3章 海辺の村

 二人を乗せた馬車は深い谷を越え大きな山を迂回してゆっくりと進んで行った。 やがて視界が広がると谷間にきらきらと光る海が見え始めた。 「あそこの海岸沿いに村があるだよ。」  ルーイは意外な気がした。森を見て故郷を思い出すなんて言っていたから勝手に山奥の村だろうと思っていたが、どうやら想像とは違うようだ。 「村に入る前に一つだげ、面食らうごともあるだろうけんども落ち着いてな」 ルーイは、なんとも的を得ない忠告だなと返事をしながら頷いた。
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