違和感(2)

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「カナタ、入るよ?」 カナタはこちらをみて笑っていた。 「モモ、お誕生日おめでとう!」 彼はそう言って、私にケーキの箱を差し出してきた。 彼の赤い瞳が私をジッと見つめていた。 床にあぐらをかいて上目遣いで、不覚にもキュンとしてしまう。 …あれ。何か。 「ありがとう!」 違和感を感じつつ、私はそれを受け取る。そして、彼のとなりに座った。 「高校楽しい?」 彼はそう私にたずねた。 …あれ、これって…。 夢が蘇って来た。やっぱり正夢だったんた…。 でも、夢じゃない今の私に悲しい気持ちは沸き起こってこなかった。 「うーん。いつもよりは楽しかったかも。」 私がそう言うと、 「それは、よかった…!」 笑いながら、グッと顔を近づけて来た。 顔の近さに鼓動が増えて行くのがわかる。 「…何?」 彼は、私を数秒ほど見つめると「ケーキ食べよっか!」と言って私から顔を離した。
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