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「…モモ。今日はイジメられなかったでしょ?」
「…え。」
グサリと私の心臓は一気に突き抜かれた。
…何?イジメられてる事なんで知って…。
「…俺が知らないと思ったの?」
彼は、不敵な笑みを浮かべていた。口元はニヤリと緩み、目は赤黒く変色しているように見える。
「…よかったね。誕生日だったもんね。」
彼はそう言って私に手を伸ばして来た。
私は、そのまま頭を撫でられた。
嬉しい…ような気もしたけど、怖くなってきていた。
「…なんで…知って…。」
優しくて素敵なカナタに違和感を感じる。このカナタは、彼の大人の部分だったりするのだろうか。
「カナタ、私の周りに何かしたの?」
彼は、「うーん。」と考えるように喉を鳴らした後、
「俺の話聞いてくれる?」
そうやって、話を逸らすように言った。
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