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「その日って…。私が…。」
「そう!俺が初めて時間を止めた日!!」
私が生まれた日って言おうとしたのに、彼は私が言い切る前に言葉をかぶせてきた。
…時間を止める…?
薄々気づいていた。だけど信じがたい。
時計を確認した。11時59分。
…進んでない。
彼は、得意げに私を見ていた。
「今も止まってるんだ。理解したかい?」
彼は立ち上がり、窓を開けた。
外に手を伸ばす。
「風も、今は吹いてないんだ。」
そして彼は、ニコッと笑うと窓のそばにある自分のベッドに飛び込む。
「痛かった。頭痛が酷くて酷くて。目の前は真っ白だった。もう生きてるのか生きてないのかさえ分からない。…辛い。辛いんだ。とにかく記憶まで飛びそうなんだ。」
彼の笑っていた顔は、一瞬で真剣な顔に戻っていた。
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