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「俺は…目の前が真っ白になった。その直後、失神していたらしい。」
彼はそのまま話を続けた。
私は何故か、合った目を逸らすことも出来なくなっていた。
「俺が、目を覚ますと病室は静かだった。軽く頭痛は残っていたけど、病院を歩き回った。そしたらね、変だった。」
私の心臓は鼓動をどんどん大きくした。目を合わせて話すことで、こんなに緊張したのは初めてだ。
「人がみんな止まってたんだ。凄いよね。」
「今みたいに…ってこと?」
私は、そう言いながらオレンジジュースに手を伸ばした。
彼から目を逸らす、代わりの動作が欲しかったからだ。
「そうそう。みんなね、一時停止。4歳ながら、夢かな、天国かなって思った時さ。声が聞こえたんだよ。生まれましたよ!って声と、赤ちゃんの声がね。」
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