0人が本棚に入れています
本棚に追加
「…えっと、わ、私。外で冷たい空気吸ってきていいかな?」
私はいつの間にか考えもしない事を言っていた。『逃げてるみたいじゃん!』と、私の中の私は言うのに頭はパニックを起こしていた。もう何が何だか分からない。
彼が私に声をかける間も無く、私は外に飛び出した。
近くに公園がある。とりあえずそこまで…。
あ…。
たくさんの人とすれ違う。
…笑顔の人、泣いてる人…ポーズを決めるように、みんな固まっている。
私は公園のベンチに座った。
彼は、すぐ後ろまで来ていた。
知ってる。
なんの音もしないこの世界で、後ろから聞こえる足音は十分に大きく感じていた。
「…ずっと、このまま…このまま止めてしまってもいいだろうか。」
彼は、訳のわからないことを言った。
最初のコメントを投稿しよう!