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変な夢をみて、ただでさえ頭がモヤモヤしてたのに、更に追い討ちをかけるように彼は現れた。
そんな事はつゆ知らず、彼は楽しそうに笑っている。
「あ、そう!モモ?」
「何?」
彼の黒髪は風に揺れていた。赤い瞳は太陽に照らされて、いつもより赤くて綺麗に感じる。
「お誕生日おめでとう!」
彼はそういうと、更に笑顔になる。
…今日誕生日だったっけ。
夢の中で祝われて、誕生日を終えたような感覚でいた。
だからあまり実感が無い。
「ありがとう…!」
私はそう返すと、モヤモヤした気持ちを押し潰して笑顔をつくった。
「…今日。夜に家に来てくれるかな?」
そして、突然の誘いだった。
「…わ、わかった。」
私は、確信した。
…今日の夢はきっと正夢だ。
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