世紀末の朝

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「なんだ?」一瞬、盗賊たちの動きは止まり、辺りを不思議そうに見回していたが、何も起こらなかった。「なんだ、空耳か」そう頭を掻いた瞬間に、少女と盗賊達の間に大きな瓦礫が、ズドン! と、落下した。 「な、な、な、なんだ!? あぶねーじゃねーか!!」との盗賊たちの叫びに、「なんだよ、折角教えてあげたのに!」と言う声がこだまする。  盗賊が「じゃあ一応お礼は言っとく、ありがとう」と叫ぶと、こだまは「どういたまて!」と、こだました。  盗賊が「それを言うなら、どういたたまてだろ?」という。と、仲間は、「いままてじゃね?」「たままてかも?」と言うので、こだまも「何がいけないわけ?」と尋ねる。  盗賊も仕方なく「きっと"し"が足りないんだよ」と答えてやった。
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