第1楽章 気紛れな王女の誕生パーティー

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ボクの所属する裏警察(シークレット・ヤード)とは正反対の組織だけど、姉妹仲は良好。 さて、そんなイア姉さんは、何をそんなにお怒りになられているのだろう。 と、ボクはイア姉さんが無言で部屋の中に入るように促してきたので、部屋にお邪魔する事にする。 それにしても、いつ来ても「女の子!」って感じの部屋だな―。 さすが、女子力高い。 イア姉さんの部屋には、テディベアだの最近流行のキャラクターのぬいぐるみだのがベッドの上や棚の上、机の端などに置かれていて、本棚には手芸だの料理の本だのがきっちりと高さを合わせて置かれている。 そして、その部屋に入ってボクは察した。 その部屋に今頃は居ないといけない筈の二人の姿がない。 そして、簡易クローゼットに掛けられている、淡い水色のドレスと淡い薄紫のドレス。 ついでに、淡い薄緑の明らかに子供サイズのドレス。 ボクは、確認の為、イア姉さんに訊く。 「一応訊くけど・・・・・・どーしたの?」 するとイア姉さんは、般若の降臨した真っ黒な笑みでこう答えた。 「ミオンとリオンが、ドレスを見た瞬間、脱走したの」 ・・・・・・やっぱりね。
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