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あれから、午後も一日中、山崎の横でマウントをしていた。 山崎の態度は、たぶん昨日までと変わらないけど、私の心持ちが変わっただけで、隣で一緒に仕事が出来るだけで、充分幸せに感じられた。 ミスもあの一回だけで、それからは、さらに細心の注意と集中力で取り組んだ。 山崎が薄切した切片を浮かべるタイミングで、体をよけて、邪魔にならないように真隣でマウントする。 なかなか相性も良いんじゃないかって、我ながら自画自賛してしまうほど、タイミングよく出来た。 その証拠に、就業時間が後5分で終わる頃、山崎が片付けを始めたから、 「終わりですか?」 と聞いたら、 「うん。今日は、おかげではかどった」 なんて、山崎の口から聞けた。 一瞬、嫌味かな?と、裏の意味を探ったけれど、そんな不安な私の顔を見て 「本番だからって緊張してたわりに、うまかったじゃん」 って、褒められた。
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