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『今日は本当に、素敵な公演ありがとうございました。』 涙が止まったかと思うと、今度は放心状態に陥る稲田。 先生の言葉も、生徒代表の感謝の言葉も、何も耳に入ってこない。 「優美子ちゃん?」 「おい、稲田? 目、死んでんぞ? 何処見てんだ?」 「…」 心配してくれる声すら、入ってこない。 『はい、本日の公演は以上となります! 皆さん、改めて、わざわざ来てくださった先生に大きな拍手をお願いします!!』 拍手を出来る状態ですら無いほどに放心した稲田。 やっとの事で立ち上がり、学校のホールを出たが、今度は足が思うように前に出ず、意識が朦朧としてくる稲田。
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