おまけ① 課長の電話攻撃

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くるりと引っくり返されて押さえつけられると、まったく抵抗がきかなくなった。 「だって!篠田って叩けばホコリが出てきそうだったし!あっ……、やだちょっと待って」 「課長とはこっそり電話してるし、さっきの返礼もありますしね。 まあよく煽ってくれて、責任取って鎮めてもらわないと」 「んん……や…っ、そうよ、さっきの!」 はしたなく甘い声が漏れるので、悔し紛れに声を張り上げた。 「仕事があるんでしょ?課長に頼まれたやつ」 「あの程度なら二時間もあれば充分です。……ん?」 私の背中で篠田の唇が止まった。 「やられた」 「何が?」 お預けをくらって少し焦れながらも興味をひかれて聞き返した。 「あの契約、それほど急ぎじゃない。期限まで余裕があるんですよ。さっきは誰かのせいで気づかなかったけど」 「ということは……」 わざわざ休日の朝を狙ってかけてきたのは、確実に私が隣にいる時を狙ったと。しかも高確率で甘い時間。 なんせ自称“腹黒”だ。 私に電話してくるのも、篠田が残業して私が一人でいると分かっている時だけだし。
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