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「…えっ?いや、俺一人ですよ」
電話に出るのが遅かったからだろう。隣に誰か寝てるんじゃないの的なことを課長が言ったに違いない。
篠田にしてみれば隣で私が寝てるなんて課長には言い辛いはずだ。
でも篠田には内緒だけど、課長はたまに近況報告的な電話をくれている。
だから私と篠田が付き合っていることを課長はとっくに知っているし、私も課長にもうお相手がいることを知っているのだ。
電話で喋ったことがバレるから、それも篠田には内緒。
「誰もいませんって。土曜の早朝なんて、そりゃ寝てますよ。今週きつかったの、課長のせいじゃないですか」
ベッドに腰かけた篠田の背中を惚れ惚れと眺める。
付き合い始めて半年。
冷めるどころか、私はますます彼を好きになるばかりだ。
でもそろそろ私達のことを公にすべきだろうか?
課長には度々勧められている。
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