おまけ① 課長の電話攻撃

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課長によると、篠田には私が思う以上にアプローチが多いらしい。 怜に対する偶像崇拝的な黄色い声よりずっと本気のアプローチだから用心しろ、と。 そりゃそうよ。 三十過ぎた結婚適齢期。 仕事が出来てクールなルックス。 婚活女子には垂涎ものだろう。 でも会社では氷みたいな彼が、ベッドでどれだけ魅力的な素顔を見せるかまでは誰も知らないでしょ? そんなうすらボケた私のヘラヘラ笑いは、次の篠田の言葉で一気に覚めた。 「……違いますよ。あの子とはそんな………だからあれは違うって何度も言ったじゃないですか」 ……あの子? それだけでピンときた。 この秋に社内公募で支社から米州部に転入してきた女子が、篠田に猛アプローチしているのだ。 それは遠いアメリカの課長にまで聞こえるほど、あの小椋さんすらも唖然の猛攻ぶり。 篠田は相変わらずロボットのような態度だけど、仕事中でもベッドに誘いそうな彼女の媚び媚び光線を毎日正面で見ている私の我慢は一触即発状態なのだ。
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