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さて、どう攻めよう?
特にスポーツをしている訳でもないくせに引き締まった背中に手を伸ばす。
篠田は何やら新規契約の話題に集中しているようだ。
まずは指先でそっと触れた。
ビクッと揺れた背中にチュッと啄むようなキスをして、そこから上へ、ゆっくりとキスでなぞる。
「その部分はこちら……でっ、も…う一回練り直します」
篠田の言葉が乱れたのを聞いてニヤリと笑った。まだまだよ。
篠田が取り込み中で反撃できないのをいいことに、背中から前へ愛撫するように腕を回し、ぴったりと篠田の背中に抱きついた。もちろん私も素肌だ。
「だったら四項目も変更…が…必要にな…りますね」
そうそう。こんな風に持ち堪える篠田がたまらなく好きなのだ。
今度は少し伸び上がって空いている方の耳に唇を寄せ、課長に聞こえないよう、ごく小さく囁いた。
「陽一郎」
胸に当てた手の下でバクンと篠田の心拍が揺れたので大笑いしそうになる。
彼の呼び名はすっかり「篠田」に定着していて、陽一郎と呼ぶ時はベッドでごくたまにあるだけだ。
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